南北朝期から西州ウイグル時期(5世紀~11世紀)にかけて、クチャの西北にある謂干河東岸の岸壁に開削された石窟。付近のクムトラ村にちなんでクムトラ千仏洞と名付けられた。
現存する洞窟が南区に32窟、北区に計80窟があるが、その中で比較的保存状態のよい物は計38窟で、中でも1977年に発見された新1窟と1979年に発見された新2窟は、石窟、壁画ともに保存状況が良い。
現存する石窟は唐代に造られたものが多い、壁画の人物は漢民族風である。亀茲様式の壁画や亀茲文字も残っており、東洋と西洋の文化が融合一体化した、貴重な遺跡である。キジル千仏洞も亀茲石窟研究所が管理しており、事前にキジル千仏洞に行って入場料を支払い、日本語解説員の予約などの手続きを済ませなければならない。